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正田病院からのお知らせ

院長’S コラム Vol.7 「その出血、ほんとに痔ですか?  ~おしりから血が出たときに考えること~」

コラム
その出血、ほんとに痔ですか?   ~おしりから血が出たときに考えること~

みなさまあけましておめでとうございます。
どのような新年を皆さんは迎えられたでしょうか。

年末からの急激なインフルエンザの感染拡大があり、各医療機関は発熱患者さんの対応に全力を挙げています。

インフルエンザだけでなく、コロナウイルス感染の方も一定数おります。
まずは手洗い・うがい・マスクなど一般的な予防策を是非お願い致します。

今回は、排便時の出血についてお話しします。

私が現在の院長職につく前は、以前本コラムでも書きましたように消化器外科医をしていました。
専門は大腸肛門外科で、多くの大腸疾患や肛門の疾患の治療に携わってきました。

大腸肛門外科の外来に初めて受診される方の中で、もっとも多い症状は便通に関するものですが、次に多い症状が「排便時に出血した」というものです。

このような症状の際に最も多いのは、「肛門出血」です。排便時に肛門の粘膜が切れ、それに伴い鮮やかな赤色の出血になります。便秘気味の方など硬い便が出るときに起きやすく、肛門の疼痛が症状として伴いやすくなります。出血量はお尻を拭いた紙に血がつく程度から、便器の水が真っ赤になるくらいの方もいます。他の疾患で血液をさらさらにするお薬を飲んでいる方は出血量が多くなります。

腹痛と下痢便の後に暗赤色の血便がでる場合には、通常肛門からの出血というよりは大腸からの消化管出血を考えます(下血)。
下血は便そのものが赤黒い血液色であり、通常便の周りに赤い血液がまとわりく肛門出血との違いです。消化管出血は貧血に進行することも多く、その原因は多岐にわたるため、速やかな診断と治療開始が望まれます。

出血の原因で忘れていけないものはなんといっても「大腸癌」です。大腸癌の症状で最も多いものがやはり排便時の出血です。ただ大腸癌が診断されるきっかけは便潜血検査(陽性)のため、下血がないからと言って大腸癌ではないとは言えません。

また出血があっても「まあ痔だから心配ない」と思い込むことも非常に危険です。

一度でも排便時の出血、腹痛に伴う下血があった場合には大腸内視鏡検査を中心とした精密検査が望まれます。
出血などの症状があったら是非当院の外来にご相談ください。

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