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正田病院からのお知らせ
院長’S コラム Vol.5 2024.11.18
コラム食べてすぐ横になると牛になる? ~逆流性食道炎のはなし~
今回は逆流性食道炎のお話です。
「逆流性食道炎」とは、胃の内容物(主に胃酸)が食道に逆流することに
より、食道に炎症を起こす病気です。
食道の粘膜は胃酸に対し弱いため食道に炎症を起こすようになります。
健康な人でも胃酸の逆流がみられることはありますが、時間が短いため
問題になることはありません。
この病気は成人の10〜20%が罹患していると推定されており、中でも中高年、特に高齢者に多くみられます。
食道と胃のつなぎ目に下部食道括約筋という筋肉があり、食物が通過するとき以外は胃の入り口を締めて胃の内容物が食道に逆流しないように働いています。逆流性食道炎の原因はこの筋肉が緩むことで胃から食道への逆流して起こるため、別名「胃食道逆流症」ともいいます。
胸が焼ける感じ、酸っぱいものが上がってくる、食後に胸やみぞおちのあたりが痛い、というのが主な症状です。その他、のどの違和感、声のかすれ、頑固な咳などがあり、これらは主に寝ているときに胃液がのどのあたりまで逆流してくることにより起こる症状です。
下部食道括約筋は、加齢による変化、胃内圧の上昇(食べ過ぎ、早食いなど)、腹圧の上昇(肥満、衣服による締め付けなど)、高脂肪食などで緩むと言われていますが、一旦緩んでしまった括約筋は元に戻りませんので、逆流しないようにするには生活面での工夫が必要です。
食べてすぐに胃が一杯の状態で横になると、食道に内容物が胃酸と一緒に逆流しやすくなりますので、1時間以上はすぐに横にならないことが大切です。
「食べてすぐに横にならない」という先人達の教えは、おそらく食べて寝るだけの生活を戒めたものでしょうが、逆流性食道炎予防には理に適った考え方でしょう。
食事後の生活を気をつけていても症状が改善しない場合には、内視鏡検査(胃カメラ)での確認を行った上で、胃酸を抑える薬(プロトンポンプ阻害剤)を服用することでほとんどの場合症状は改善します。
上記のような症状でお困りの方は、一度内視鏡検査を含めたご相談をいただければと思います。
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